【前回の記事を読む】近未来小説が現実に…「失われた平成年間30年」の衝撃

第一章 失われた三〇年

《一》平成三〇年間─何もしなかった日本

ベンチャー人材、情報人材を育てることもしなかった

日本は明治維新からずっと戦前も戦後も欧米先進国からの技術導入で産業を興してきたので、「追いつけ追い越せ」はできても新産業を興す独創的な人材が少ない、育っていない、育てるシステムがない、だから個々の部品、機械は刻苦勉励、勤勉に努力して作れるようになりましたが、情報時代になるとシステム的発想、ネットワーク的発想、諸分野を総合して考える人材を育てないとダメになることがわかっていました。

そこで選挙に出る時、『しまね二一世紀(活力ある人づくり、情報通信革命)をつくる』を書きました。

「新しい産業も興せる、高齢社会も楽しくなる」と副題をつけていました。その初めの部分で次のように記していました(二五年前の日本の状況です)。


もう、あと三年で二一世紀になります。二一世紀の世界はどうなるでしょうか。

まず、第一に世界の経済競争がますます熾烈になることです。

一九八九年の東西冷戦の終結によって、共産主義や社会主義の国々がほとんどなくなり、事実上、資本主義経済に一本化されました。中国、旧ソ連のロシア・ウクライナ等、東欧諸国などが、従来の資本主義国であるアメリカ、ヨーロッパ、日本、東南アジア等に加わり、大競争(メガ・コンぺティッションといいます)の時代が始まりました。

これにより、大量生産の物づくりについては、世界中に生産工場が拡散し、恒常的に過当競争、低価格競争が熾烈化することになりました。

日本やアメリカなどの人件費が世界のトップクラスの国は、絶えず、付加価値の高い製品・産業を創り出していかなければ、経済的にやっていけなくなるでしょう。

アメリカは情報産業を中心とした新しい産業を見つけたようで、現在、大変、好況になっています。日本は大量生産型の製造業で一旦は世界のトップに立ちましたが、それもつかの間、急激な円高で大量生産型の製造業を国外に流失させ、国内産業の空洞化が進んでいます。

日本もアメリカのように高付加価値の次の産業が起きない限り、低迷は続くことになるでしょう。