① バイクに乗り出してから俺の生活は以前とは全く違うリズムになった。以前は朝はぎりぎりまで寝ていたが、朝5時起床。1時間ほどバイクを走らせてから登校。学校から帰ってきたらそのままツーリング。休日は父ちゃんと2人乗りでバイクショップに行ったり松下さんとツーリングに行ったり、この頃の俺は起きている時間の大半をバイクの上で過ごしていた。

13 初コメユイナはどうした?

6 彼女さんとはどうなったんですか?

① 6、13 > この頃はもう自然消滅みたいになってた。多分だけど周りも飽きてきてたんじゃないかな。何度かお金の要求も断ったし、いつの間にか離れていった。ただ、俺的には離れていってくれて大感謝、大歓迎だった。バイクに乗り始めてからユイナと一緒にいる時間が苦痛でしょうがなかったから。ユイナと一緒にいても以前のように俺から話しかける事もなくなり、心の中では早く帰ってバイクに乗りたいと思っていた。

夏休みに入ったら1日中バイク乗りまわしてやろうって考えていたので、夏休み前に彼女が離れていってくれて心底せいせいした。それよりも俺が少し気になっていたのは優人の事だった。俺はバイクに乗り始めてからすぐに優人の家に報告へ行った。

「後ろに乗っていいからどっかに行こうよ。松下さんっていうおじさんに美味しいラーメン屋教えてもらったから行こうよ」と何度も誘ったのだが、優人には「別にいいわ」とそっけなくかわされていた。今にして考えたらこの頃から何となく優人の俺に対しての態度がよそよそしくなってきていたように思う。

しかし、この頃の俺の頭の中はバイクでいっぱいで、優人の事も昔から気分屋のところがあるし、今は機嫌が悪いんだろぐらいにしか考えていなかった。

7 優人が何となく不安定な感じだね。

【前回の記事を読む】高校生のとき、父がバイクを買ってくれた…から考える「親子の相性」

※本記事は、2021年10月刊行の書籍『タンデム』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。