銀行の法則

晴れの日に傘を貸し雨の日に返せと言う銀行は嫌われるが、その逆は怖い。

銀行の法則 解説

中小企業の経営者だった父から、「好景気で会社の調子がええときは銀行が来て金を貸したがる。せやけど、いったん、不景気になって会社がしんどくなってくると金を返せというてくる。せやから、銀行は晴れの日に傘を貸し、雨の日に傘を返せという、ひどい奴やと言われるんや」と聞かされた。

うまいたとえだと思ったが、私も社会に出て取引先の倒産に遭遇し、何度か代金回収に失敗した。その結果、雨の日にどんどん傘を貸し出すような銀行には、危なくて預金できないと思った。

クラシックカーの法則

好きな人にとっては名車。

関心のない人には燃費も加速も悪い上に、

環境にもよくない傍迷惑な中古車。

クラシックカーの法則 解説

車検でお世話になっている整備工場には年代物と分かるクラシックカーがよく停められている。中を覗くとオートマチックではないし、エアコンは付いていないし、乗り心地もよくなさそうだ。車に実用性を求める私からすると、まず乗らない車になってしまう。

しかし、これが人間ならどうだろう。年齢を重ねるとさまざまな能力が低下するし、デジタル化には乗り遅れ、もの忘れが激しくなればまわりに迷惑を掛けることも増えるだろう。これはいかん、と遅まきながら気づいた。

私がクラシックカーに乗ることはなくとも、私自身はクラシックカーを目指し、きちんと手入れし、こぎれいに保って長く生きてきた存在感をさり気なく示し、個性的な風貌を維持しよう。さもなければ、解体を待つだけの中古車になってしまう。

※本記事は、2022年4月刊行の書籍『大きな声では言えない96の法則』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。