しかし、この方向は困難きわまるものでした。

救世主を求めることから派生した諸々の望みの中で、最も強い望みは超越した存在を見て、それと一体になる望みです。

多面性の理解に至るまでの脳神経の発達には、かなりの経験を要します。それに比べて既に完成した脳神経を持つ超越した存在がいるのだとしたら、これと一体となった方が楽です。そんな存在に会いたくなります。この強い望みは深刻な害を及ぼしました。なぜなら、支配者にならんとする行為は明らかに悪ですが、一体感を感じたいのは全て愛なのだと理解されたからです。

一体を望むことが、やがては意識や脳を破壊する想念へと変貌するとは長く予測されませんでした。

身近な体験でイメージしていただきたいのですが、愛したからこそ裏切られたら恨むとか、愛でがんじがらめにするとか、嫉妬に狂うとか、私物化するなど、何となく想像できますね。被害者意識の強い人の一体となりたい愛は、危険だと感じられると思います。

一体化したいと望む想念が、何やら恐ろしい怪物になると気付いたのは随分後になってからです。深刻な被害が広まってからです。嫉妬や怨念や憑依(ひょうい)現象、その影響力の凄まじさに最初に気づいたのは支配欲に憑かれたコア達でした。のんびりと平和主義のコア達は、既に支配者の手中に置かれた後に、これはおかしいのではと気づくのです。

超越した存在と一体化したい望みの最大の害は、地球の人は恋が苦手な事です。いえ、得意だと仰る方も多いとは思いますが、この危険な望みを完了できたなら、もっと上手です。