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十三、克裕、第三の試練

C型肝炎は、C型肝炎ウイルスに感染することで起きる、肝臓の病気である。無症状から、慢性肝炎になり、慢性肝炎から、肝硬変、肝ガンに進行するケースが多い病気だ。

原因は、子供のころの予防接種の注射針の使い回しや、輸血などである。克裕の場合、たぶん子供のころの予防接種が原因だと思われた。

克裕は「がんセンター」で多くの検査をして、C型肝炎が判明した。そして、治療のため一ヶ月の入院をした。治療は、毎日の抗ガン剤の筋肉注射であった。かなり強い注射で、克裕は毎回の注射のあと、「腹筋運動を、三百回ぐらいしたあとの筋肉痛のように、体中の筋肉が、ギューッと絞られるように、痛いんだ」と言っていた。

その強いインターフェロンの注射を、入院しながら毎日、右肩、左肩、右尻、左尻、と場所を変えて打たれる。体中がだるさに襲われ、はき気や、脱毛もひどくなっていく。そして毎日、微熱が続く日々。その注射を半年続けてもC型肝炎が消えない人もいて、つらい治療を、辞退する人もいるそうだ。

退院後も三ヶ月、近くの病院へ注射に通った。そして、克裕は幸運なことに、みごとC型肝炎を消し去った。その後、癌を克服した人と同じく、毎年一回、五年間は、検査のためがんセンターに通った。

現在は完治した。