【前回の記事を読む】リウマチ治療の第一人者が語る、医学界の「歴史的快挙」とは

広島県にリウマチ学を移植する

リウマチは治る―関節リウマチ治療のパラダイムシフト

2010年を過ぎた頃より面白い現象が起きている。MTX、アラバ、プログラフなどの従来薬を使った治療法でバイオを上回る治療効果が出始めたのである。使う薬剤は以前と同じであるが使い方が上手くなったのに加え、患者が関節リウマチを恐れなくなり、患者自身が病気を良くしてくれていると感ずる現象が生ずるようになった。

関節リウマチはストレス病の代表であったが治療を通してストレス病、メンタル病であることが実証されたのである。Bio freeでBioに匹敵する治療効果を求めて私は孤軍奮闘している。

目下の成績はBioの効果と変わらないし、副作用も軽微であり、回避可能である。いやむしろ有効率から見ると優れている。医療費はBioに比べて激安である。

関節リウマチはストレス病の代表であることに変わりはなく関節変形が最大のストレスであり、経済的負担もそれに勝るとも劣らないストレスである。ストレスを除き、安価でかつ効果的なBio freeのMTX(メソトレキセート)を中心とした治療法は、Bioに匹敵する治療法であり、これらの試みを通してデータを蓄積する事で将来必ずや多くの患者に福音をもたらすと信じ私は毎日の診療を続けている。

リウマチはストレス病で、患者自身がストレスフリーの状態となっており、自ら治す力を持っている。これらをベースにして従前の薬で十分治療できますと話しても、理解してもらえないことが多い。悲しいことである。世界の70億人の0.5%の内60~70%の患者は経済的理由からBioの恩恵の外にいるのである。即ちメーカー主導で安価な治療法を消去してしまってはならないのである。