【前回の記事を読む】「人生の最終段階」にある患者をケアするガイドラインとは?

終末期

人生の最終段階における本人の意思を尊重するためには、本人の意思決定が基本とされており、そのためには医師あるいは医療者から必要な情報の提供と説明がなされなければならない。また、本人の意思は心身の状態に応じて変化することから、繰り返し話し合うことが必要だとされている。

本人の意思確認が困難な場合には家族が推定意思を尊重し、本人にとっての最善の方針を決める。本人が自らの意思を伝えられない状態になる可能性がある場合、事前に、特定の家族等を自らの意思を推定するものとして前もって定めておく。家族がいない場合、医療・ケアチームで慎重に判断する(図表1参照)。

写真を拡大 [図表1]「 人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」における意思決定支援や方針決定の流れ(イメージ図)(平成30年版)

医療・ケアの方針においては、心身の状態等において決定が困難な場合や家族の中で意見がまとまらない場合は、複数の専門家で構成する話し合いの場を設置し、方針の検討や助言を行うことが示された。

終末期患者の苦痛には、「身体的苦痛」、「心理的・精神的苦痛」、「社会的苦痛」、「霊的苦痛」があるといわれ、患者の苦痛に真摯に向き合うことが重要である。

死にゆく人間の心理過程を明らかにしたエリザベス・キューブラー=ロス(1926-2004)は、ターミナル期の患者を調査し、死と死ぬことについて『死ぬ瞬間』(1969年)を著した。そこで「死にゆく過程の5段階」を発表した。

5つの段階とは、「否認、怒り、取り引き、抑うつ、受容」で、患者は最期まで希望を持ち続けていることを示した。

終末期の関わりは、意思決定をはじめとした残り少ない時間を充実したものにするために、適切な医療・ケアを決定することが重要である。