その頃テレビで人気だったのは「金曜日の妻たちへ」。登場人物はちょうど団塊の世代で、田園都市線のつくし野駅あたりが舞台だといわれていましたが、その頃の主婦たちは多少なりともあのドラマの気分に影響されていて、お茶に呼び合ったり、月に1回くらいは持ち寄りで昼食会なんかを開いたりしていました。

お舅さん、お姑さんと同居の家ではないので、やはり核家族らしいわが世の春を謳歌していたのかもしれません。お呼ばれするほうも呼ぶほうも何を用意するかなどそこそこ気をつかっていました。たまたまうちで昼食会をしていたら、夫が出張の帰りだとかでずいぶん早く帰ってきたことがありました。あ、と夫は驚いて棒立ちになり、みんなはバツが悪そうに顔を見合わせました。

「じゃあ、あたしたち、これで……」

「いいですよ、どうぞごゆっくり」

とは言うものの、旦那さんが隣にいたのでは、落ち着いてお茶するどころではありません。皆さん、そそくさと引き上げていかれました。今となってはやはりちょっと舞い上がっていたのでしょうね。

今の若い子育てママたちが、公園や商店街にグループでいるのを見ると、昔の自分を思い出します。知り合いの若い現役ママに、下の子が生まれ、お兄ちゃんになった3歳くらいの子が、大きい子たちに交じって遊びながら必死でついて歩いているのを見ると懐かしくて、がんばれ! と心の中で叫んでしまいます。

いろいろなことがスイッチひとつでできる時代になっても、ただひとつアナログで手が抜けないのが子育て。わんぱく息子がよその子を泣かせて謝りに行ったり、毎月の食費や教育費に頭を悩ませたり、子育て中は狭いトンネルの中にいるように感じられるけど、いつか広い青空の下に出られるのだから、がんばって、と言いたいですね。

※本記事は、2019年1月刊行の書籍『 若葉台団地』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。