【前回の記事を読む】異国の地・コロンビアで子どもが見せた「驚くべき適応能力」

妻のピンチ

当時は写真とか本から得る以外に情報が手に入らない南米のコロンビア・メデジン市に転居するには、家具などの預け先や持っていくもののリスト作り、学校関係の手続きなどなど、日本でもかなり複雑かつ多くの解決すべき事柄がありました。そして私の二週間の帰国休暇に合わせて作業し、休暇明け再赴任のタイミングに家族全員でコロンビア・メデジン市に転居しました。

*妻のピンチ・その一

言うまでもなく、妻=専業主婦の仕事と言えば、まず毎日の食事をどうするかが大きな比重を占めていると思います。

住居としたマンションの近くには比較的大きなショッピングセンターがあり、スーパーもありました。しかしそんな中、メデジンに長く住んでおり、子どもたちもほぼ同じ年でアメリカン・スクールに通っていることなどから家族ぐるみのお付き合いが始まったご家族の奥様が、「もっと新鮮で安くてよい食材が手に入るメデジン市の公営市場でも買い物ができるから一緒に行きましょう」と誘われてその市場へ行ったときのことです。

その中に一歩入ったとたんに、通路に処理された牛とか豚の頭がごろごろ転がっていたとのこと。しかしかの奥様は当然、といった表情で奥へ進んでいったそうです。

私の妻も最初びっくりして足がすくんだそうですが、意を決してあとについていって買い物を始めたそうです。そんな市場でも、何回かご一緒させていただいているうちに慣れてきたようです。