手づくりのものによって与えられる「感動」

「自発性を尊重する」ことの限界を認めたうえで、そのことを補うとともに、積極的にこころを豊かにするものとして「感動」があります。

わかば保育園にとって、感動をもたらす保育の実現においては、青井春江先生のリーダーシップが大きな働きをしました。

青井先生が主任保母として来る以前においても感動をもたらす保育がなかったわけではありませんが、青井先生のリーダーシップによって飛躍的に前進しました。

誕生会やうんどう会、星まつり、七五三、お泊まり保育、クリスマス会などで子どもたち一人ひとりに手渡すプレゼントのカードや参加賞、メダル、ワッペンは、ほとんど先生たちによって製作されます。卒園記念アルバムも、先生たちのセンスや創意工夫によって手づくりされ、手渡されます。

これらは子どもたちはもちろん、保護者にも感動をもたらします。

また保護者には、大きな負担にならない程度に協力を求め、給食のときに使用するランチマットや給食袋、遠足のときに使用するリュックサックなどを手づくりしてもらいました。

最近は、保護者の負担を考えて市販のものでもよいとする園も多いようですが、これら手づくりのものによって、市販のものでは味わえない、お母さんやお父さんからの具体的な愛情を子どもたちは感じられるのではないかと考えています。

多くの大人から声をかけられることによる「感動」

日々の保育においては、子どもたち一人ひとりの気持ちの動きやともだちとの関係のダイナミックな展開、さらにクラスとクラス、そして園全体の雰囲気がどのように展開するかを意識した保育が積み重ねられます。

当園の職員室では、職員会議や話し合いの場だけではなく、午後のお昼寝のときや5時以降にお茶を飲んだりお菓子を食べたりしながら、また製作物をつくりながら、子どものこと、クラスの様子、子どもと保護者との関係などがよく話し合われます。

その結果、担任だけではなく、ほかのクラスの先生も園全体のほとんどの子どもやほかのクラスの様子をよく知ることになり、クラスに関係なく、先生たちと子ども、保護者との対話が活発におこなわれることになります。

子どもたちは、できるようになったことや頑張ったことを、担任の先生だけではなく、ほかのクラスの先生やともだちのお母さんから認められたり褒められたりすることがよくあります。それによって、子どもたちは自信を深め、感動するのです。