発行への想い

近年、入試でも「記述する力」にポイントが置かれるようになってきました。それはどうしてか? AIが発達した今、情報は瞬時に知ることができるようになりました。しかし、人の気持ちを知ることについては、どんなに技術が進んでも機械が正解を導き出すことはできないのです。記述することで、その人の考えや思いを知りたい、つまり、本質的な学習をしてきた人を学校も会社も求めているのです。

子ども達の成長を見てきて思うことがあります。一方的な押し付けの学習ではよりやる気をなくし、その後の伸びに結び付かないということです。本来人は、知らないことを知ることは楽しいことと感じるものです。知れば知るほどもっと知りたいと思った経験は誰にでもあると思いますが、勉強となると辛いイメージが出てきがちなのは、強制され、評価された経験が少なからずあるからなのではないかと思います。

人との比較ではなく、自分の成長の証として学習していくためには、心の感動の容量をできる限り大きいものにしていくことが大切です。自分の頭で考えてまとめるには、「心で感じる」という過程を経ることが不可欠です。そして、AIの発達したこれからの世の中だからこそ、その必要性がさらに大きくなっていくことでしょう。

心の感動の容量を大きくするためには、感動する機会、考える機会をできるだけ増やしていくことが大切です。作文というと顔が曇る子ども達も、写真を見せて「好きに書いてみたら?」の一言で目がキラッと輝きます。どの子にも、心を自由に柔軟にありのままを出して欲しい。それは自信に繋がります。自信を得た上での学習は重い雲が晴れたように青空に向かって際限なく伸びる可能性を含むようになるはずです。それは「生きている」「存在している」。そのすばらしさを認めることでもあると思うのです。

どんなことでもOK。ただただワクワクする気持ちを持って大人の方も子ども達も1枚1枚ページをめくってください。心が思うままに書いて、描いて、そしてそんな自分を笑顔で見つめてください。「きっとできる」。そう信じています。

※本記事は、2022年4月刊行の書籍『写真作文「じゆうなこころ」』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。