【前回の記事を読む】一見優雅な老人ホームライフ!しかし入居者目線で見てみると…

不平一杯ため息はブルース

でも事実・現実を知ったからと言って社会活動の出来ないお年寄りたちには何もできませんし、何も良くはなりません。不愉快になるだけ。

どうにもならない現実を知って暗い顔をしているより、知らぬが仏で何も知らずに仏様の様にニコニコしている方がいいのかもしれません。多分、ここでは後者でしょう。

でも一人位、不機嫌な人がいてもいい。外の現実世界は、生き馬の目を抜く弱肉強食の殺伐とした世界なのですから。

特にコロナ渦、生活苦で自殺に追い込まれ、苦しんでいる人々が溢れているのに。

こんな世の中だからこそ、「明るく」「前向きに」「笑顔で」などと言って現実から目を背けようとする人たちがいて、浮かない顔をしている私を脳天気組に引き入れようとする。

「どうぞ御勝手に。現実逃避をなさってください」

そう、ここは完全に現実からは遠い世界です。時々、私はこんな風にぶっ千切れることがあるんです。

「ぶっ千切れ」のブルース。

さてホームでは時間があり余るほどたっぷりあるのに、あの時間帯になると必ずといっていいほど起こってしまうエレベーター前のラッシュアワーについてです。

ラッシュアワーと感じるのは、心理的なものであるようです。時間がかかってもいいので、余り混まないエレベーターに乗せてくれればいいのになー。

多分、介護員さんたちは、早く仕事を終えたいので、セカセカしているのだと思います。私たちは、ここでゆっくり余生のスローライフを過ごしたいのに、時間単位で仕事をする若い介護員さんたちは、早く早くと我々をせかせます。

「介護の方の気持ちも分かるけど、もう少し我々の気持ちも考えて欲しい」とあるご老人との会話です。

どこの施設でも同じなのかは分かりませんが、高齢の入所者たちの時間感覚・生活リズムを反省して欲しい。高額な料金をお支払いして、ここで生活をしているのですから、生活のリズムは入所者優先に考えて欲しいとつくづく思います。

決して焦りたくない我々は置いてけぼりと感じます。