「貴方の『夢』、そのまま私の夢です。

先日の手紙を読んで、実は想像も出来ないような内容でびっくりしたし、涙が流れて困りました。貴方の気持本当にありがたく思います。

私は沖田さんが好きでどうしようもない位ですが、しかし沖田さんと結婚したいと思った事はないし、今も思わないのです。それでも貴方はそんなひどい私を許し、そして待って下さるのですか。私がその気になるまで。私は自分勝手でどうしようもない奴です。

沖田さんの私を思って下さる気持をしっかりと抱いて死んでしまいたい気持です。生きている価値も値打ちもない。

結婚したくないと、私はもっと初めから言うべきだったのでしょうか。この事をはっきり言わなかったのは、全てが終わりになるのが怖いと思っていたからです。許して下さい。

今更こう言えばずるいかもしれませんが、私は沖田さんが好きでたまらない。私の生ある限り思い続けるでしょう。私はずるくて、人を恋する資格なんてないのかもしれない。許して下さい」

(42年2月 緒田啓子)

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※本記事は、2021年12月刊行の書籍『永久の恋人』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。