次に、薩摩鶏を飼いました。薩摩鶏は大きくきれいな羽の鳥です。友達同士で飼っている薩摩鶏のオス同士をケンカさせる遊びがはやっていました。

私の飼っていた薩摩鶏はいつも負けてばかりいました。最後に、負けた鶏に自信をつけさせるために、友達同士で負けた鶏に勝った鶏の顔をつつかせ勝った鶏をうつむかせます、そうすると負けた鶏が勝ったと思い胸をそらし自信をつけさせて終わりにしました。

傷ついた鶏の顔を見るたびにかわいそうになりました。中学から高校時代は伝書鳩を飼いました。

最初飼った時は、地面に近いところに作ったちゃちな鳩小屋だったため自宅の猫に食べられてしまいました。

その後、父が大工だったため本格的な鳩小屋を作ってもらい、多くの鳩を飼い育てました。伝書鳩は、遠くから放し自宅まで帰ってくるのを待つのが楽しみでした。

今日は遠くから帰ってこられるか、放す時心配でした。高校卒業も近づいた頃、鳩は人に譲り、鳩小屋を壊しました。

数カ月後、譲った鳩がわが家の屋根に戻ってきた時は嬉しくて、そして悲しくなりました。「ごめんね鳥たち、俺を慕ってくれてありがとう。すべての地球に住む生き物が守られるように」との願いのままに行動できたらと思います。

人間以外に国境はありません

鳥は空を自由に飛び、領空権はありません。世界中の空を自由に飛びます。

陸・海・空・川に住む、鳥・魚・動物・昆虫、水、空気、植物、放射能、ウイルスなどに国境はありません。

また、動物にはお国言葉がありません。

犬は「ワンワン」、猫は「ニャーニャー」、ひよこは「ぴよぴよ」、カラスは「カーカー」などと日本では鳴き声で表現します。

各国ではどんな表現でしょうか? 人種によって言語を使い分け、争いが絶えない人間たちは、そんなつながりあっている動物たちを、自然を、地球を、長くないがしろにし続けています。

私が「地球ファーストがいいね」と思ったのは二〇二〇年の一〇月。そして、その原稿を書きながら「同じ人間なのに、地球を破壊する側の人々と、地球を破壊から守ろうとしている人々がいるのだ」と初めて気づきました。

本書では、まずそれに気づくまでの私の歩みを紹介し、その上で私が地球を守るために微力ながらやってきた取り組みを、これからやりたいことを書き記しています。

私は、生まれた時から四〇歳くらいまで蓄膿症で黄色い粘っこい鼻汁が出て、いつも鼻が詰まっていました。

勉強もできず、運動も苦手、身長も一五六cmと小さく、劣等感の塊でした。

そんな私でも、地球を守るためにやってきた多くの経験があります。私の経験や考えをまとめたこの本が、地球を守るために役立つのなら望外の喜びです。

※本記事は、2022年5月刊行の書籍『地球ファーストがいいね』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。