エッセイ 詩 哲学 2022.07.11 詩集「点滅」より3連 苦 男は、いつも 他人を嫉み、妬み、嫉妬し、 生きていた。 ある日、男は、有名になった。 人から、嫉まれ、妬まれ、嫉妬され、 生きている。
エッセイ 『59才 失くした物と得た物』 【新連載】 有村 月 結婚してから35年、「愛」はなくとも「情」は生まれる ダンナが死んだ―まさかの現実。自覚はなかったが、この時から私の「おひとりさま」は始まろうとしていたようだ。たしかにダンナは肝臓の数値が悪いと1ヵ月半入院したものの退院、体力も少しずつ戻りはじめ還暦祝の1泊旅行もし、そのたった1週間後にはこの世からいなくなるなんて、頭の中のすみっこにさえなかった事。よくいう野球の九回裏2アウトからの逆転満塁ホームラン的な。その1年半前、最愛の母が「くも膜下出血」で…
小説 『リストラおやじ、アイドルになる』 【第13回】 椎名 雅史 被疑者扱いの息子は無実!? 事故現場でルミノール反応実験キットを試してみると… 「便利な世の中になったもんだ。これがネットで買えるんだからな。血痕があると暗いところで青白く光るらしいぞ」血痕? 老女は後頭部を怪我していたはずだ。「赤星先輩、それ意味あります? 血痕が見つかったとしても、それは被害者のものじゃないんですかね。健太は怪我をしていないわけだし」「バーカ。それがそもそもおかしいんだよ。バーカ」やたらに「バーカ」を連発するので、俺はムカついてきた。「考えてもみろよ。被…