ことに、農民は耕作地を放棄して、年中不安定で給料の安い日雇い労働者にならねば生計が立たない者が多くなっている。

1920年頃までは5000万人以上いた日本の農民が、1940年に約4200万人となり、1960年には1460万人まで減少。

そして、1990年の農業就業人口(注3)は480万人であり、2016年になると192万人しかいなくなってしまったのである。

(注3)毎年2月1日時点で調べる農水省の農業構造動態調査による。そして、漁業就業者も政府の2018年度水産白書に17年は15万3490人であるが、約30年後の48年には7万3000人となる見とおしも報告されている。

この実情に対して、政府は若い世代の就業を後押しし農業を成長産業に変えようと公表した。しかし、その一方で大企業にとって有利であるけれど、中小企業と農民には打撃を与えることになる環太平洋連携協定(TPP)を推し進めていたのである。

このTPPは政府の説明に反して、「輸入米が国産米より安価で国内に流通している事」も発覚し、一層農業従事者に不安を与えたようである。

しかし、経団連はこの政府の経済成長戦略やTPPなどの経済連携、原発再稼動を推進するなどの政策を高く評価した。榊原会長は2016年10月の記者会見で「金で政策を買うという意識はない」と述べながら、同時に、「政府との連携は不可欠だ」とも強調し、更なる自公政権への献金を呼びかけている。

それに対して安倍政権は、12月9日にTPPの関連法案を成立させ、14日に年金支給額抑制策である年金制度改革案を、15日にはカジノ解禁を柱とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法の修正案も強引に可決させた。

さらに2018年7月にはIR整備法(注4)を参院本会議で与党などの賛成多数により可決、成立させている。

2019年8月には大阪府・市、和歌山、長崎両県に続き横浜市がIRを誘致したいと表明。

こうしてカジノが全国3カ所を上限に解禁されそうである時に、IRを巡る汚職事件で担当の内閣府副大臣秋元司容疑者が逮捕され複数の国会議員にも搜査が波及した。

それにもかかわらず、政府は2020年1月にカジノ管理委員会を発足させてしまったから、不安や反対の声がますます多くなってきたのである。

(注4)政府は「カジノを中心とする総合型リゾート施設(IR)を「海外観光客を誘致し雇用の安定・消費拡大につながる」ものであると弁明しているが、米国ではカジノが過当競争により相次いで閉鎖しており、トランプ大統領の所有する大型カジノホテルも2018年10月から営業を停止している。