【前回の記事を読む】ネズミ捕獲作戦…「あっけにとられた」食パンの状態とは!?

複数匹捕獲具の開発

実施例2 松山市内の大きな雑居ビル

クマネズミはとにかく足元が不安定になることを嫌う。ほんの少しのふらつきの変化でも気付き、中に入らなくなる。パンを食べることの誘惑より、危険であると認識する方が勝つのだ。一旦、危険であると認識されると、仕掛けをふらつきのない状態に戻しても、一週間ほど入らない状態が続いた。

何故だろう? すぐに餌付けすることができたのだから、同じようにすぐ入ってくれても良さそうなものだ。しかし、すぐには入ってくれない。この、一斉に入ったり、一斉に入らなくなったりする行動について、長らく何故だろうと考え続けた。

しかし、前述と同じ解釈をすると、納得できる。つまり、安全を確認する個体が決まっているとした場合、その個体が危険だと判断すると他の個体は入らなくなるし、再び安全だと判断されれば他の個体が一斉に入るようになるのだ。ばらばらに、個々の個体が仕掛けにチャレンジしているのなら、一斉に入ったり入らなくなったりすることは起きないのではないか。

つまり、親である大きい個体の判断次第で、子たちの行動が決定されているのではないか。点検に行った際に、大きいネズミが捕獲具の近くにいて、すぐに逃げようとはしなかったので写真として残したものがある。ふてぶてしい顔をしていたが、この個体が親なのだろうか。