ゲルニカと広島を結ぶもの

スペイン旅行から帰国後、ゲルニカの爆撃後の写真が残されているのをインターネットでたまたま見つけた。その写真と広島の原爆投下後の写真とが驚くほど酷似していることに衝撃を受ける。

商は昭和十九年六月二十六日に没したので、原爆を受けてはいない。しかし、その数年前に日米戦争に突入することがなければ、広島はこの写真のような惨禍に出逢わずに済んだであろう。

商は、広島の悲惨な運命を暗示したのだろうか。今となっては、彼の心の内を知ることはできないが、残された彼の作品を見直してみると、果たしてそうだったのかもしれないとも思われる。今回のスペインへの旅は、出かける前、そんな謎解きを意図して仕組んだわけではなかった。

商はもちろんスペインには行っていない。しかし、この旅は、結果としてその意義を私達に感じさせるものになった。もしかすると、商に導かれた旅であったのかもしれない。

爆撃後のゲルニカ(Bundesarchive Bild/ドイツ公文書館)
原爆投下後のヒロシマ(pagezeni.exblog.jp)
※本記事は、2021年10月刊行の書籍『一族の背負った運命【文庫改訂版】』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。