がんも他の病気と同じです。現代医学には、がんの根本治療はありません。 がんに対する現代医学の標準治療は、手術、放射線治療、抗がん剤治療(化学療法)の3大療法です。しかし、これらの治療の限界は明らかになっています。

がんが早期で、最初にがんができたところ(原発巣と言います)にとどまっている場合は手術で治る可能性があります。しかし、すべて切除しても再発・転移のリスクは残ります。 放射線治療もやはり早期発見で原発巣にとどまっていれば、がんの種類によっては治療できることもあります。

しかし、放射線はがん細胞だけでなく正常細胞にも多少は照射されてしまいます。それによって免疫力低下や新たな発がんのリスクも出てきます。化学療法で治癒する可能性のあるがんは一部の小児がんや白血病などに限られます。

それら以外のがんでは多少の延命が期待できる程度です。抗がん剤の問題は自然治癒力を低下させて細胞が変異し、二次がんを引き起こす可能性もあることです。ところが、2010年の厚生労働省の大規模調査によると、がん患者さんが受けた治療のうち最も多いのが抗がん剤治療で80.5%と、ほとんどの方に対して実施されています。

さらに、外科手術71.5%、放射線治療は32.3%に行われていました。この3つの治療に共通しているのは「がんの塊を排除すること」を目的にしていることです。つまり、原因は追究せず、症状だけに着目しています。 

大腸がんを例にとって説明しましょう。 原発巣のみでがんが見つかった場合(ステージⅠやⅡ)や原発付近のリンパ節で転移が見つかった場合(ステージⅢ)は、手術で腫瘍を取り除くことは可能です。

ただし、それはあくまでも腫瘍の塊を物理的に除去しただけです。がんの原因になった「がんになりやすい体質」がそのままであれば、いずれ再発や転移が起こる可能性が高くなります。 さらに、原発巣から遠く離れた臓器や組織で転移が見つかった場合(ステージⅣ)は、がん診療の定本とされている『がん診療レジデントマニュアル』などでも、抗がん剤治療は単に「延命が期待できる」だけだとされています。

 このように、がんの3大治療ではほとんどの場合、根本的な治癒を期待することは難しいのです。