それから、二人で二人三脚の治療が始まりました。無農薬の玄米、根菜類の野菜、昆布、わかめの海のもの、水は水道水をやめ、近くにある天然の湧き水。私も同じ食事です。出掛ける時も玄米のおにぎりを持って行きました。

玄米はかむ事が大切なので、二人で「一口、百回かもう」と言って、よくかんで食べました。又、大阪の枚方市に鍼灸の名医がおられるというので、毎週一回、住まいのある舞鶴から二時間半かけて通いました。 

そうして1年たち2年たち、7年間を元気に生活していました。その間、以前検診をしてもらった医師から、「今も元気におられると聞きました。もう一度奥さんの診察をさせていただけませんか? 

前の時に診断をあやまったとしか考えられないのです」と言われたこともありました。 元気に7年間を過ごした後、やはり寿命というべきでしょうか、妻は隣の犬にかまれたことが災いして、あっけなく亡くなってしまいました。 

振り返れば、妻はいろいろなものを私に残してくれました。私が71才にしてこんなに元気でいられるのは、妻のためと思って学び、実践してきた食事療法のおかげだと思います。食事療法においては、食事の内容そのものも大事ですが、さらに重要なのは「気」だと思います。

妻は玄米をかんでかんで食べている時、必ず治る、治すのだという強い気持ちを持っていました。又、私が同じ食事をするなどして、サポートすることに対して感謝の気持ちを持っていたのだと思います。 

病は気から、と言いますが、妻はがんの宣告をされてからの7年間、死を意識することで、逆に一日、一日を大切に非常に濃い、深い日々を送ったのかもしれません。免疫療法を説く本庶佑先生がノーベル賞に輝きましたが、人体の持つ自然治癒力の偉大さ、尊さに改めて感動と感謝の思いを新たにしています。