二足歩行後の人類化石の発見

一九七四年、フランスのドナルド・ジョハンソンらのグループが図一のエチオピア北東部のハダール村で三一八万年前のアファール猿人(アウストラロピテクス・アファレンシス)のルーシーを発見しました(発見された当夜、ラジオから流れていたビートルズの曲「ルーシー・イン・ザ・スカイ」にちなんで命名されました)。

写真を拡大 [図表1]アフリカの猿人・ヒト化石の発掘場所

数百点もの骨の破片が集められ、全身の四〇%にあたる骨がまとまって見つかった非常に貴重なものでした。ルーシーは、身長一・一メートル、体重二九キログラム、一般的なチンパンジー(メス)に近いようにも見えました。脳容積は三七五~五〇〇立方センチメートルで脳もそんなに大きくありませんでした。しかし、骨盤と足の骨は、機能的には現代人と同じものであり、確かに直立歩行していたことを示していました。

ルーシーの属するアファール猿人は、その後もいろいろ発見されて、三九〇万年前から三〇〇万年前に、東アフリカの大地溝帯に暮らしていた人類種で、確かに二足歩行をしていたと認められています。アフリカで発見された人類化石を古い方から整理して、図表2を作成しましたが、四四〇万年前のアルディピテクス・ラミダス、四二〇万~三九〇万年前にアウストラロピテクス・アナメンシス、三九〇万~三〇〇万年前にアファール猿人、三〇〇万~二五〇万年前のアフリカヌスに進化したと考えられています。

写真を拡大 [図表2]人類の進化(推定を含む) 筆者作図

ここで、アウストラロピテクス・アナメンシスは、アルディピテクス・ラミダスとアファール猿人をつなぐものとして考えられ、脛骨の形から二足歩行をしていた可能性がありますが、いろいろ批判もあります。また、アフリカヌスは横道に入りすぎた種であり、ホモ属への系統から外れているという意見もあり、アフリカヌス猿人を外すこともありえます(図表2では外してあります)。