網走刑務所を後にして我々は知床五湖へ、遊歩道の入り口には立派な施設がありネイチャーガイドから散策に関する注意事項のレクチャーを受ける。その中でヒグマとの遭遇リスクに関するものがあり、いわゆる、出会いがしらの事故の防止策として、見通しが悪い場所で「パン、パン」と2回手を叩き相手(ヒグマ)にこちらの存在を知らせる方法を教わる。山に入る時リュックに鈴を付けてクマに人間の存在を知らせるのと同じ方法だ。

僕らは入り口で消毒液を染み込ませた絨毯で靴裏を消毒し(区域内の生態系を壊す植物の種や菌の持ち込みを防ぐ方策)遊歩道に入った。その日は風もなく本当に静かで湖面に山や木々が綺麗に映っている。

時おり森の中でエゾシカを見ることが出来る。すると前方から「パン、パン」という音が聞こえてきた……。ガイドに言われた通りやっているので文句は言えないが頻度が多すぎて折角の静かな雰囲気が台無し。何か神社で柏手を打ってるのを聞いているみたいで……。

知床半島は半島全体が国立公園になっており野生動物の宝庫だ。夕方93号線を走っているとエゾシカやキタキツネが頻繁に出てくる。2015年にはヒグマが道路を横断するのを目撃した。前方にハザードを付けて車が停車している場合は、必ずといっていいほど野生動物が道路際に出てきている。

宿泊は2年とも同じホテルにした。流氷をイメージした白い内風呂もいいし、露天風呂から朝、夕にオホーツク海を眺めるのもいい。食事はバイキングだが比較的内容が良い。職人がこちらの好みのネタで寿司をその場で握ってくれるし、蟹も獲れたてを直ぐ茹でているので身離れが良く娘と「これでもか!」というくらい蟹を食べまくりテーブルは蟹のからでいっぱいに……。

バイキングと言うとややチープなイメージがあるが、北海道内のそれなりのホテルのバイキングであれば北海道はいかに食材が豊富か思い知らされる。ウニ、サケ、イクラ、エビ、カニ、イカ、タコ、ホッキ貝、ホタテ、カキ、マグロ、サンマ、シシャモ、カレイ、ホッケ、牛肉、ラム肉、エゾシカの肉、ジャガイモ、アスパラ、トウモロコシ、新鮮な牛乳で作ったアイスクリーム、メロン……。

ほんと、食べきれないのだ!