これら二つの提案が実現したことで組合員の理事会への関心も高まっていったが、少数の人たちからは格好つけすぎるとの意見も出た。

Jはそのころからマンション内で専門知識を持つ人が増えるメリットについて考え始めていた。市主催のマンション講座(年六回)にも出席、自らもマンション関連の国家資格テストにチャレンジしてみようと思い始めていく。

手始めに本屋で参考書を探すが見当たらない。

英語、秘書、宅建主任、保育士、地方公務員、行政書士などの資格参考書は目立つがマンション関連はなかった。あまりに必要とされていない印象を受ける。問題集のコーナーにやっと過去問題集をみつける。厚めの七年間分の問題集だった。それを買って帰宅した。

一週間ほどあとの新聞折り込みチラシに通信講座の案内があった。みると、この紹介講座の中にマンション管理士、業務主任資格コースがあったので資料を請求する。

届いた中身を見てまず、「受講料高いなぁ!」といった印象を持つ。通信での勉強経験もないので相場を知らないのが原因だろうが、ほかの方法もなさそうなので割り切って入金を済ませることにした。テキストが届く。中には区分所有法、民法、建築基準法、適正化基準法の四冊、これに自習用のものが入っていた。