水族館でのサプライズイベント 2014年8月 小樽

 

以前、小樽を訪問した時は運河沿いや町中を散策したので、今回はおたる水族館やにしん御殿小樽貴賓館(旧青山別邸)に行ってみることとした。

おたる水族館は海沿いの岩場の地形を利用したアザラシの飼育スペースが一番面白かった。中でも300円~1000円で大小のバケツに数種類の魚が入っていてこれをアザラシに与えることが出来る企画が意外と盛り上がった。普通に与えると体の大きいドンみたいなやつが大体食べてしまう。

スペースの端まで移動し体の小さい弱々しい子にあげようとしても、素早くドンが駆けつけて横取りしてしまうのだ。息子がドンを引き付けておいてそのすきに娘が弱い子に魚を与える作戦でやっとあげられそうになったら今度はカモメに横取りされ……もう大騒ぎ。

「未だあの小さな子に1匹もあげられてないからバケツもう1つ買っていい?」

とせがまれ、結局3つ買う羽目に……。

お昼は後輩に海鮮系の丼が美味しいと教わった食堂に行ってみた。もともとは民宿みたいなのだが1階は食堂になっている。店先で鰊を炭火で焼いており、どうしても1匹頼んでしまう。皆各々好きな丼を頼む。私はウニ丼、娘はイクラ丼、息子はサケイクラ丼、かみさんはホタテイクラ丼。とても美味しかったが隣のテーブルで生ビールを飲みながら美味しそうに刺し盛を食べている方がいて……。

「こういうところは昼間に車で来てはダメだ……。次回は泊りがけで来て夕飯時に海の幸を堪能しよう!」

と固く心に誓い店を後にした。小樽も時代の流れとともに少しずつ変化している。2017年には石原裕次郎記念館が閉館し、入れ替わるようにして似鳥美術館がオープンした。

似鳥は全国的に有名な家具・インテリア用品のニトリさんのことで創業者の似鳥昭雄さんは北海道の出身なので小樽に美術館を開館したのだろう。小樽市街には古い趣のある建物が数多く存在しノスタルジーな雰囲気を醸し出しているが、この美術館も旧北海道拓殖銀行小樽支店を改装したもの。

美術館には印象派の洋画や横山大観等の日本画、それから「小樽ガラス」に(ちな)んでということだと思うがエミール・ガレ等の多数のガラス工芸のコレクションがある。別棟にステンドグラス美術館もありかなり見ごたえがあった。

小樽には「あまとう」という洋菓子店があり、そこの「マロンコロン」というお菓子がかみさんは今まで食べた焼菓子の中で一番好きなんだそうだ。札幌駅のお土産ものショップでも買えるが、以前は札幌駅の北口にも直営ショップがあった。そこで買うとスタンプが貯まるので、なるべくならそこで買っていたのだが、残念ながら今はなくなってしまい、ガチャの販売機が複数台並んでいる。

お土産に買って帰ると「今日は何の味にしようかな」と言いながら毎日1個ずつ大切そうに食べる。その期間は基本的にかみさんの機嫌が良いように思えるのでわざわざ買って帰る価値はあるのだ。

※本記事は、2022年2月刊行の書籍『Northern Colors』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。