この目で見た被災地の今 平成二十四年二月十五日掲載

全国中学校スキー大会の引率で、宮城県の蔵王に行ってきました。スキー場で地元のお年寄りに声をかけられ、被災地では自衛隊員が棒で探りながら遺体を捜そうとしてもなかなか見つからないのに、カラスが集まっている所に行ってみると必ず遺体が見つかったと教えてくれました。

また、津波で流された船が、家を破壊していったそうです。

さらに「亘理(わたり)町に行くと、海沿いの道から海がよく見える」と言われました。それは当たり前だと思ったら、そうではなく家が根こそぎ流されてしまったので、海がよく見えるようになったのだそうです。

帰りに、三百人近い犠牲者の出たその亘理町に寄ると、想像を絶する光景がありました。震災から一年が経とうとしても、引っ切りなしに行き交うダンプ。海沿いに果てしなく続くがれきの山、山……。樹木、畳、タイヤ、家電品というように種類別になっている所もありました。

内陸に車を走らせると、家の基礎のコンクリだけが転々と見え、次に破壊され傾いた骨格だけの家があちこちに見えました。かなり内陸部に入っても、がれきの山やひっくり返って原型を失った車がありました。復興元年、長い長い道のりは今、始まったばかりです。

夏目漱石VSアグネスチャン 平成二十四年五月三十一日投稿

「丘の上ひなげしの花で……」はアグネスチャンのデビュー曲「ひなげしの花」の出だしです。一方、夏目漱石の虞美人草(ぐびじんそう)という小説があります。この「ひなげし」と「虞美人草」は同じ花を指し、今日ではポピーと呼ばれ、あちこちでポピー畑が出現し、矢車菊と同じように、野生化しつつあります。

虞美人草という名は、中国の伝説に由来しています。語源となった中国の伝説とはどういうもので、何故その名を漱石は小説の題名にしたのだろうかと考えると興味が尽きません。また、ひなげし(雛芥子)のイメージは可愛いけしの花という感じですが、アヘン戦争を引き起こしたけしと酷似します。

アヘンの原料であるけしがポピー畑に紛れて生えていることが問題になっています。茎葉がほとんど無毛で、茎を包むように葉がついているけしからは麻薬のモルヒネもとれます。もちろん、癌患者にとって痛みを和らげる救いの薬です。

日本語を大切にするなら、虞美人草かひなげしと言いましょう。ポピーという名からは、伝説もアヘン戦争も連想されません。意味不明なスーパークールビズは、漢字で超軽装か超涼装と言いましょう。もちろんコンビニは万屋(よろずや)です。