【前回の記事を読む】母がモロッコの王室入り!? 波乱に満ちた人生のきっかけは…

母がモロッコへ出発した日

時間はあっという間に過ぎ、母と私の出発が迫っていました。

当初、母の出発は9月以後で、私が先に留学する予定になっていたのですが、王様の誕生日パーティーに出席させたいという話になり、7月にモロッコに来るよう言われ、急遽出発が2ヶ月早まりました。

母の職場のお客様や友人の方が、出発する母と私の為にフェアウェルパーティーを開催して下さり、各業界の素晴らしい方々が参加して下さいました。

出発する日の朝、母はずっと泣いていました。

アフリカのモロッコという未知の国に、たった1年でも私を連れて行くのは不安だったという想いがあったそうです。それでも本音では、私と一緒に行きたかったと。私自身も、母の出発の際に泣かないようにと必死でした。どんな国なのか、どんな王様なのかと不安はたくさんありました。それでもとにかく、1年の辛抱だと思うようにしました。

母も出発のときは、

「勉強頑張って」

とただ一言言った直後から、何も話ができなくなってしまいました。

母を見送った帰りの電車では、なんだか心にぽっかり穴が開いてしまったような気がして、正直あまりその後の記憶がありません。