◆トルコ・イスタンブールのガラタ橋の魚のフライのサンドウィッチ屋(図1)

小舟の七輪で魚のフライを揚げ、熱いサンドウィッチを売っている。寒い時にはうまい。

図1

◆トルコとシリアの国境(図2)

ここで前後に窓ガラスのない車をヒッチして厳寒の寒さにふるえながらシリアの国境まで行く。

図2

◆第二次世界大戦後のわが国では、観光目的の海外渡航は制限されていたが、一九六四年に漸くその制限が解除された。このため、私が旅行に出発した一九七〇年代前半ではまだ海外観光旅行は一般的ではなくて、ジャルパックのようなパッケージの団体旅行が主体で個人旅行は稀だった。そのため旅行書も少なく渡航先の情報も極めて少なかった。

しかし、貧乏旅行の私にとって旅行先の歴史、文化、都市、自然、現地の言葉、交通、宿泊施設、見るべきもの、治安状況などを把握することは必要だった。そのため、それらは大使館での事前情報収集、同じような若者旅行者との情報交換、現地の人々からの情報収集などによって得た。

だから、若い人たちが貧乏旅行をするときの情報となるような旅行情報誌が必要だと考え、旅行中は日々の交通情報、宿泊情報、食事情報などを詳細にメモした。そして帰国後これらを基に旅行情報誌を出版しようと考えていた。この出版は実現しなかったが、一九七九年に株式会社地球の歩き方から旅行情報誌としての「地球の歩き方」が出版された。

このようなわが国の状況の中で、米国では当時すでに多くの若者が世界中を旅していたために若者向けの旅行情報誌が出版されていた。その一つに「LET'S GO:The student Guide to Europe」(Harvard Student Agencies)があった。私はこの一九七三年版(三・九五ドル)を手にヨーロッパを旅行した。

そして、ヨーロッパでは二ヶ月間乗り放題のEurail Passを購入(二四五ドル 六一、二五〇円)して、cooks CONTINENTAL TIMETABLE(9/30~10/31,1973)を活用して列車で旅行した。

図3