俳句・短歌 四季 2022.06.18 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第111回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 野鳥見る緑化環境夕方に中空ちゅうくうを舞う蝙蝠こうもりに会う 桃色の花を見た後あとビール飲み桃源郷とうげんきょうの心地ここち味わう 文化課の太極拳に参加して指導教師の極美きょくびに見蕩みとれ
エッセイ 『59才 失くした物と得た物』 【新連載】 有村 月 結婚してから35年、「愛」はなくとも「情」は生まれる ダンナが死んだ―まさかの現実。自覚はなかったが、この時から私の「おひとりさま」は始まろうとしていたようだ。たしかにダンナは肝臓の数値が悪いと1ヵ月半入院したものの退院、体力も少しずつ戻りはじめ還暦祝の1泊旅行もし、そのたった1週間後にはこの世からいなくなるなんて、頭の中のすみっこにさえなかった事。よくいう野球の九回裏2アウトからの逆転満塁ホームラン的な。その1年半前、最愛の母が「くも膜下出血」で…
小説 『俺たちのアビリティフォース』 【第20回】 藪坂 りーた あの時の姿になれた!力を手に入れたレッカは憑依生命体へと立ち向かう! 意を決した後、それを天に掲げ、「来い!」と短く静かに声を張った。すると一層の輝きが体を包み込み、「……お、おお。 き、きた! 」あの姿に……、なれた。全身をくまなく確認したが、ちゃんと全身オレンジ色を基調としているあの時の姿だ。「っしゃあ! 行くぞっ!!」自ら鼓舞するように両腕の拳を握りしめ自分に気合を入れる。衝動が抑えきれない。つい先程存在を頼りにしていた院さんの事も待てず、いきなり目先数十メ…