世帯所得と子どもの学歴には、正の相関関係があると言われる。昨今、貧困と低学歴から抜け出せない負の連鎖が、社会問題となっている。スタートラインが違うのは事実であるが、低所得であることを免罪符としないで、実際には、子育てに取り組む親の決意と覚悟の差であると捉えたほうがよい。

劣等感の塊である窓際の著者には、これといった技術や特技や取柄もない。履歴書に堂々と記述できるような経歴や国家資格など、何も有していない。情けないことに、ないないづくしである。ほかに何か際立った強みを有してないのかと考えた。

幸いトヨタ自動車で、現地現物主義に基づいた「トヨタ生産方式」の考え方を徹底的に叩き込まれ、現場の実践を通じた鍛練により、しっかりと体得した。極めてまれな、付加価値の高い、AI(人工知能)に淘汰されることのないビジネススキルと考える。そこで、トヨタ生産方式を何とか子育てに活かせないかが、発想の原点となった。

自身の子育てポリシーは、骨の髄まで染み込んだ、強烈な差別化を図れる「トヨタ式」しかない! と確信をもって決意した。冴えない窓際族の著者が、トヨタ式の教えに基づいて、創意工夫の試行錯誤の子育てに愚直に取り組み、日本の最高学歴である東京大学の合格にたどり着いた。さらに、最難関の国家資格である公認会計士の資格も、東大在学中に合格を勝ち取った。正に、感無量であった。

アホの著者の息子が、東大に? 統計学的には、受験生千人に一人くらいの合格確率である。「学歴なんて関係ない!」と言う(やから)はいる。しかし、理想だけのきれい事を並べるのは、現実を直視しようともしない空想主義的な発想であり、偽善者として扱われるケースもある。

理想の対極には、常に厳しい現実が存在し、正に表裏一体の関係にある。決して、現実から目を()らしてはならない。

※本記事は、2021年12月刊行の書籍『「トヨタ式」子育て術』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。