【前回の記事を読む】協力が必要な仕掛けでさえも突破する⁉ クマネズミとの闘い

複数匹捕獲具の開発

実施例1 山間の渓流沿いにある鶏舎

観察結果

上の部屋に入れてあった食パン数枚が食いちぎられて散乱している(写真1)。そして、細かく食いちぎられたパンのかけらが捕獲具の中はもちろんの事捕獲具の外にも溢れてこぼれ落ちていた。場所によっては山のように重なっているのだが、その外にある沢山のパンのかけらが荒らされている様子はない。

[写真11]囲みのように、小さく噛み切られたパンが散乱していた

不思議な光景だったのだが、あっけにとられてしまってその場の写真は残していない。なぜなら、その行為をしたはずのネズミが中にいなかったからだ。塩ビのパイプの口にあったはずの紐が20㎝ぐらいのところで食いちぎられて下に落ちている。驚いて、そのまま仕掛けを持ち帰った。

帰ってからよく調べて見ると、パイプの先から尻尾がのぞいていた。塩ビのパイプの中にいたのだ。塩ビのパイプからネズミを出すことにして、動画に撮影した。その様子は動画サイトにアップしている。すごく元気の良い大きい個体だ(写真2,3)。

[写真2]クマネズミとしては大きい方である
[写真3]塩ビのパイプで連結してポリ容器に移動させようとした

餌付けを行っていなかったので、真っ先に入ったのがこのでかい個体ということになる。中に入った個体は上の部屋に入った後に塩ビのパイプにも入ったのだが、ポリタンクの中に飛び込んではいない。

そして、次々に続けて入った個体がいれば、前述した失敗例のように、時間をかけてでも連係プレイをすることによって脱出することができたのだが、そうはならなかった。周りには仲間が沢山いたはずなのに、続けて入る個体がいなかったということだ。じっと、成り行きを見ていたのだろうか。

また、食いちぎられたパンのかけらが無数に外に飛び散っていたので、この食いちぎっては外に放り出すという単純な同じ作業を中の個体が延々と繰り返していたのは間違いない。しかし放り出されたパンを外の個体が食べた形跡がないのだから、2日間の間、外の個体は何をしていたのだろうか? 私なら喜んで放り出されたパンを食べるだろう。