教訓

ここに登場した三人とともに、ときには彼女たち以外のCAを交えて懇談する機会が何回かありました。そのときに通常は普通の日常会話、すなわち「明日の予定は?」「今日は大勢の団体客が乗っていて大変だった」「今日は病人が出て忙しかった」などが話題となります。

またいろいろな航空会社のCAとも飛行中に雑談したりしたのですが、その中で、彼女たちがあるタイプの乗客に怒りをあらわにしたことがあります。そのときの内容はおおむね以下のようなものです。

・エコノミークラスで通路側に座っている男性客で、わざとひじ掛けより外に腕を出し、通るたびに足に触れてくる乗客。

・たいした用事もないのに(物を落としたから拾ってほしいなど)呼び出して、スキを見ては体に触ってくる乗客。

・チェック・イン後、免税店などで大量にお土産を買い込み、一人では運べない、あるいは客室への持ち込み可能量を大きく超えているにもかかわらず、ガンとして貨物室への収納を拒否する乗客。

・何が入っているかわからないが、非常に重い手荷物を持ち込み、一人では上部の収納へ入れられない乗客。

・CAを自分専属の召使いのように扱う乗客。

このような行為をする乗客がいる中で、彼女たちCAが最も嫌うのはセクハラといえる行為です。それは団体客の中年オヤジだけでなく、若い男性客にも多いようです。いずれにしてもCAに対して、というだけではなく、自らの品格を損なうような行為は厳に慎むべきです。

※本記事は、2021年10月刊行の書籍『アテンション・プリーズ』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。