だが、始めの1日2日はよかったが3日辺りが過ぎた頃この先の不安が自分を襲いTV もゲームも何も手につかない、元請けに連絡しても「無い」の一言、何もしないで金にもならなく寝ることの罪悪感、ダメ人間になっていきそうな不安、そんな中

「ぜってー負けねぇ」

「ぜってー強くなる」

「今に見てろ」

その思いだけ、何の確信も根拠もないまま1週間が過ぎる頃、焦りは少し薄れ、まぁ万が一のことがあったら職を変えて従業員も連れて多くを求めないでやっていこうなどと考える様になって少し現実を直視できる様になっていた。

そんな頃、1本の連絡があり、自分の同業の新たな元請けが自分の知人を通して紹介して欲しいという話だった。打ち合わせにいってみると年内に間に合わないから仕事を受けてくれないかというありがたい話ですぐに協力させていただきますと返事をし、驚いたことに年内ビッシリ仕事が埋まった。

初めての仕事だったことと知人の紹介だったこともありすべての仕事を受けて次は1カ月休み無しで仕事してもやり切れるかどうかの量になり、真逆のプレッシャーが襲い掛かってきた。

このときは終わらせられなかったらの不安、信用を無くす不安だったが仕事が無いことのプレッシャーよりは少しましで1カ月休み無しの夜中まで仕事をして何とか仕事を納めることができた。新たな元請けも感謝してくれて金額も新たな元請けの方がよく、独立1年目の締めでは最高の締めになった。

この1年を通して思ったことはやはり物事には経緯、道理、摂理という順序があるのだと思った。まず忍耐なくしては始まらない、忍耐なくしては冷静な判断もできない。忍耐の大切さを深く痛感する1年になった。忍耐の次は何が必要なのか日々精進していこうと思う。上にいく為に。

※本記事は、2021年8月刊行の書籍『上にいく為に』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。