【前回の記事を読む】卑弥呼は一人じゃなかった!? 古代日本きっての謎に迫る!

第一章 明治維新とは何だ

第二節 大日本帝国の国体と装備

第一項 日本国の時代の流れと為政者・権力者を知る

神話集「古事記・日本書紀」から入る。記・紀によれば隣国の朝鮮半島事情であり、「三韓征伐」とは、()(かん)の要請により仲哀(ちゅうあい)天皇の皇后である(じん)(ぐう)皇后を先頭にして、朝鮮国の新羅を征伐するために海を渡った。

神話であるがここからが重要なところである。この神の命令は始めに仲哀天皇に下したが、天皇は乗り気でなく、神のお告げに従わなかったので、神は仲哀天皇の命を()り、その妻の神功皇后に命じたとある。神は役に立たない天皇よりも、速攻の神功皇后の行動を選んだという神話による日本の歴史である。

天皇家の万世一系の男子という尊い話は、ここでは一致していない一例であるが無教養の筆者には遠い例示である。ここで引用するような話ではないと思われる読者にはお詫びする。

朝鮮半島の韓族のひとつの馬韓の要請で「三韓征伐に出陣した日本国」。論点はこの時、この三国は日本国(倭国)に対して、新羅に始まり、後に百済、高句麗も日本国を頼り、「朝貢ちょうこう冊封さくほうに従する」と意を表したと言われている。

この意思表示が日本の歴史上に於いて至る所で、出入りを頻繁にして、解釈をややこしいことにしてくることを読者も筆者もしっかりと心に留めおかなければいけない。筆者はこの説が正しいと言おうとしているのでない。

何故ならばこれは神話のことであり、記紀以外に認められる正当な文献は現在に於いて検証されていない。この朝鮮半島属国説ともいうべき解釈が、後の「豊臣秀吉の朝鮮侵略を支持し、正当化しようとする勢力」に根強く支持されていった日本史学があったことは、はっきりと認識しておかなければなければならない。

本書の全般にわたりこの底流は度々、確認することになるとを予告しておく。詳細は第五章「征韓論の正体」で読者にわかり易く解説する。この三韓征伐日本のそこらあたりは出口治明(立命館アジアアフリカAPU大学学長)の史料「0から学ぶ日本史講義」(文藝春秋)は科学的で新しい解釈が多いと思うからお勧めしておく。ご一読されたい。