第1章  キアテック心体論

1 気のアートテクニック=キアテック

既往症

治療院で症状が取れなければ、患者さまは症状を施術者に伝えることをあきらめてしまうのが普通です。キアテック治療ではその場で良くなった症状以外にも症状を探し出してもらい、気になるすべての症状を改善します。

治療前に患者さまに、特に気になっている症状をいくつかお聞きしてから治療しています。その症状が改善されると、治療前には自覚のなかった症状が気になり始め、「ここも痛い」と次の症状を言われます。来院時の症状が改善されると、細胞は別の症状を訴えるのです。

治療中に症状が良くなっても、患者さまが新たな部位の症状を訴えると、症状がある部分に気の隙間が空いて気を注入するスペースができます。これは治してほしいという細胞の意思表示であり、症状のある部分に気の充填のスペースを空けて症状を改善してくれるのを細胞が待つからです。

たとえばお腹いっぱいでも食後にスイーツを見ると胃に隙間が空き、スイーツが食べられるということと同様です。徐々に症状が治っていくと同時に細胞がもっと他に症状がないかを探し出し、あらゆる症状を改善してほしいという要望が、元々細胞の意思に備わっているからなのです。

5年、10年、30年前とさかのぼった事故などの古傷、良くなった症状以外にも気が不足している箇所、患者さま自身が意識していない部分的な血流障害により悪化してしまった箇所も「あきらめないで良くしてほしい」と細胞は訴えます。各々の部分的な細胞の声を一つ一つ聴きながら治療することで、自然治癒力が働き細胞の治ろうとする意思が働くのです。

キアテックの定義

カイロプラクティックには「哲学・科学・芸術」という概念がありますが、それをキアテック理論で申すならば、キアテックの「哲学」は治療ポイントに気を注入することにより意識を腹腔に下ろして精神を安定させ、体を改善へと導くことであり、効率的な気の治療法の具現化です。

「科学」は体の生まれながらの六つの癖歪み、8タイプ別の歪みのパターン、五指ソフトリング検査法、治療ポイント、気の入れ方の順番と回数、治療法のベクトル、六つの歪みの存在を打ち消す言葉の波動です。「芸術」は気のパワー(大気のエネルギー)を尾骨の治療ポイントに圧縮した気を注入して補填し、骨格バランスと気の流れを整えることです。神経や血管の牽引や圧迫による血流の障害、器質的な骨や細胞の異常、精神的な不安やストレスなどのあらゆる原因の症状は気の不足であることがキアテックの根源的な定義を成しています。

心体の気の不足を補填し刺激がなく、合理性に適った治療法がキアテックの医気学になります。キアテックでは体の骨格を正中線に整えるのではなく、体の癖歪み側から反対側の予防姿勢に180度移動させ改善します。体の姿勢には症状がある場合、痛みを避けるための逃避姿勢と、痛みのまま体がロックした重力負荷の二つの姿勢があります。

患者さまは無意識に元の楽な歪みの姿勢をしてしまうため、振り子の原理のように無意識にしてしまう歪みの姿勢に戻らないように180度反対側に重心を移動させるという治療法がキアテックの理論です。椎骨の矯正は同じ箇所を何回もアジャストする場合もあり、そうしますと関節および靭帯を痛めかねません。

頭蓋骨や脊柱を刺激すればするほど頭蓋の縫合は貝のように閉じ、各関節はロックしやすくなり、関節の靭帯筋肉は拘縮します。強い刺激よりも微細な刺激のほうが治療効果を得られることは、周知の事実と思われます。

※本記事は、2020年2月刊行の書籍『永遠快気の生き方』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。