このようにして幼稚園生活はスタートしていきました。年長さんになると、一緒に遊ぶ事は出来ませんでしたが、クラスのお友達が手を引いて輪の中に引き入れ、何とか賑やかな子ども達の中に自然といる事が出来るようになりました。

ノコギリやカナヅチを使うなど危ない刃物を扱った工作を行っていましたが、家庭でも工作をし、板に釘を打ったり、ノコギリで板を切ったりして、みんなと楽しんで出来るように家庭でも心がけました。手先の事は以前からハサミを使わせたり、指先を使う折り紙を折ったりなど、いろいろ考え訓練させていたので工作が好きだったようです。

最終年には、全員が棒針編みでマフラーを編むという課題がありました。完成というところまではいきませんでしたが、同じように編む事が出来ました。まだこの年齢ですと、差があるとはいえ、現年齢ほどに差があるわけではないので、すべての課題に平等にチャレンジさせてもらえる事が出来ました。

園と家庭との連絡帳で毎日の様子を共有し、課題をクリアするようにし、幼稚園生活は順調に進みました。

※本記事は、2020年12月刊行の書籍『言語能力2歳の自閉症 正社員となる』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。