【前回の記事を読む】子どもに接する時の注意!「21の項目」は、母親の心の修行?

K先生との出会い

子どもの出来ない姿、問題行動にイライラしてしまったら、子どもに振り回されているだけです。せっかく先生が指導して下さっているのに、自分も子どもと同じ洗濯機の中に入っている事と同じです。

何も前進しません。イライラせず「我慢、我慢」と自分に言い聞かせ、自分を抑えていたところ、子どもは出来るようになっていきました。そうして、私は、喜びを感じ、子どもによって「待つ気持ち」「ゆとりの気持ち」の心を持つことが出来るようになりました。

次男の発達を見ていると、子どもは「真似」をして、そこから「発達」していきますが、長男には、私を親として認識する事が出来ていませんでした。私が長男を可愛がっていなかったという訳ではありませんが、長男は、親子関係という認識がなかったのではないかと思います。子どもの感情を揺さぶるようにオーバーな表現をして、刺激し、感情を目覚めさせた事で、私を親として認識する「親子のつながり」が出来たのではないかと思います。

自閉症は、親が原因ではないけれど、発達を望むのであれば「親子のつながり」が大切なのだということを実感しました。

これら、先生から指導された21の項目は、長男が私のお腹の中に忘れてきた「親子のつながり」を改めてつなぎ直し、子ども自ら持っている「発達の芽」を刺激し、成長を促すスタートとなったのではないかと思います。

大きな前進「変化!」

デイケアに通いつつ、家では、K先生から指導された前記の事柄を実践していきました。

特別扱いせず、普通に接し、怒る時は、毅然とした態度で怒る! 褒める時は、大きなはっきりした声でオーバーな位に表現し、褒め、抱きしめる手伝いが出来た時は、「ありがとう」と感謝の気持ちを伝える。

このように接していると、子どもに大きな変化が表れました。

母親に対し、正面から抱きついたりしなかった子が、初めて、私の背中に自分も後ろ向きになって寄りかかるようになりました。ついに、お互い、後ろ向きの状態でしたが、自分から進んで身体を寄せてきたのです。次に、私の膝に背中向きになって腰掛け、膝に抱っこされるようになりました。その時の感動を今も忘れません。徐々に母親に対して自分から進んで母親に甘え、コミュニケーションをとるようになってきたのです。

宇宙人から人間となり信頼関係が築けたのです。甘えるようになった長男を私は初めて心が読めるようになり、心の底から「かわいい」と思えるようになったのです。