「優人も一緒に免許取ろうよ」

「おそろいの文房具選んでるわけじゃないんだぞ、嫌だよ。俺はバイクには興味ない。……それにお前、うちの親の、特に母親の性格知ってるだろ? どっちにしても無理だよ」

親と言われてドキッとした。

「……うちの親、許可してくれるかな?」

「そこまで責任持てないよ。頑張って説得するしかないんじゃないの?」

「母ちゃんは絶対に反対すると思う。父ちゃんは母ちゃんのいいなりみたいな感じだし」

自分から相談してきてウジウジしてる俺にむかついたのか優人はすっげぇ面倒くさそうに、

「あのさぁ、相談されたから俺なりの意見を言ってるんだけど、実行するのもしないのも最後はお前の決断次第だよ。何かを始めるときってある程度のリスクとか努力とかって必要なんじゃないの? ローリスクハイリターンなんて都合のいい事あるわけないよ。むしろ世の中なんてハイリスクノーリターンの方がよくある事なんだから。

バイクに乗ったからって精児とユイナがうまくいくとは限らないし、今後のお前の人生にどう影響するのかも知らないし、知ったこっちゃない。ひょっとしたら何も変わらないかもしれないし。俺も精児も小中学生時代全編黒歴史のイモムシ扱いだったわけじゃん? イモムシだってある日突然成虫になるわけじゃないじゃん。厳しい生存競争勝ち抜いて蛹時代を経て成虫になる。今まで黒歴史だった人生がある日突然何のリスク、努力もせずにバラ色なんて都合よすぎでしょ?」

2 やだ優人さん素敵すぎ。

4 よし、優人、抱かれてやる。

※本記事は、2021年10月刊行の書籍『タンデム』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。