【公企の群馬小児Cと独法平均の比較結果】

(ア)100床当たりの会計収支は独法の方が約0.7億円良好

収益収支会計は群馬小児Cが100床当たり約1.6億円の赤字に対して、独法平均は約800万円の黒字、資本収支会計は群馬小児Cが100床当たり1.6億円の赤字に対して、独法平均は約2.5億円の赤字であった。(添付資料D-2)

両会計を合計した100床当たりの収支は、群馬小児Cが約3.2億円の赤字(150床では約4.8億円の赤字)に対し、独法は約2.5億円の赤字(病床数331床換換算では約8.1億円の赤字)となっており、独法の方が約0.7億円程赤字額が少ない実績となっている。(表1)

(イ)繰入金も独法の方が100床当たり約2.4億円少ない

両会計への繰入金額は、100床当たり群馬小児Cが約11.1億円(150床換算で約16.7億円)に対し、独法は約8.7億円(平均病床数331床換算では約28.8億円)と群馬小児Cより約2.4億円少なくなっている。

(ウ)群馬小児Cの独法化による年度負担額の削減見込額は約4.7億円

会計収支に繰入金額を加えた自治体の年度負担額は、100床当たり群馬小児Cが約14.3億円(病床数150床換算で約21.5億円)に対し、独法平均は約11.2億円(平均病床数331床換算で約36.9億円)と独法の方が約3.1億円も少ないということであった。従って、群馬小児Cが独法化して独法と同じ経営実績ならば自治体負担額は約4.7億円も削減できる可能性があるという試算結果であった。(表5-3)

(エ)純粋医業収支も群馬小児Cの方が赤字額が多く問題あり

純粋医業収支では、100床当たり群馬小児Cが約11.0億円という大きな赤字額であり、独法の約6.2億円より約4.8億円も赤字額が多くなっている。

【群馬小児Cの問題点】

主な経営実績は、病床利用率71.9%(独法77.2%)と平均在院日数11.0日(独法11.3日)では独法と大きな差はないが、100床当たりの入院収益が約22.8億円(独法約24.3億円)、外来収益約5.5億円(独法約6.8億円)と独法より少ないにもかかわらず、100床当たりの職員数では医師40.0人(独法39.4人)、看護師173.3人(独法144.1人)、全職員288.0人(独法232.4人)と独法よりもかなり多く、全職員数では全12病院中最も多い人数となっている。

その結果、職員給与費が高い傾向があるなど、収益は多くないのに支出面が抑制されていない、つまり群馬小児Cにおいては収益収支の適正なバランスが図られていないという状況になっている。