二月二十六日(火)

今日も寒いね。このまま、話し合うこともできずに景子ちゃんに離婚されたなら、その先、生きていても仕方ない気がします。状況が何もわからないけど、変わりなく元気でいてくれていますか!? ペットは元気にしてますか。僕の代わりに長生きしてくれるといいね!

二月二十七日(水)

なんとかしたいのに何もできないでいます。景子ちゃんと話し合いたいのに話せずにいます。別れ話になる前に、ちゃんと話し合いたいのに話せずにいます。別れ話になる前に、ちゃんと気持ちを聞いてほしいです。景子ちゃんがいなくて、もう、どうしようもないくらいに辛いです。人生で、こんなに辛いことがあったのかと思う毎日です。

二月二十八日(木)

もう精神的にぼろぼろになっています。それでも景子ちゃんを信じている自分がいます。家族、そして生涯の伴侶と決めた最愛の妻の景子を、一生信じていたいんです。どうしても、心の底から断ち切りたいと思っているとは思いたくないんです。辛くて死にそうです。家族以上に大切なものなんて世の中にないから。

景子ちゃんと連絡が取れないので、今から弁護士さんを訪問してみます。別れさせることを仕事としておられるので、門前払いされて取り合ってもらえないのはわかっているけど、辛すぎるから死ぬ気で行ってみます。

三月一日(金)

昨日、弁護士さんのところに行ったら、景子ちゃんが、僕のメールを嫌がってるから止めるように言われたので、これが最後になると思います。だから本当の気持ちを聞いてください。

今日まで景子♥にメールできることだけが、たった一つの心の支えでした。景子♥がいなくなって、もう心がボロボロで、本日、会社の役職を途中退任してきました。今は、なんとか耐えているけど、仕事も生きることも、あまり長く続けていけない気がします。

景子♥が怒っていた女性とは、あのメール事件以来、何もなかったです。疑っていたようだけど本当です。誤解です。信じてください。最後のお願いです。今までのことを心から反省しています。もう一度やり直させてください。早く家に帰って、楽しく御飯食べて笑い合いたいです!

景子♥のことを心から愛しています! 僕は景子♥を誰よりも愛しています♥話したいことが山ほどあります。信じて待ってる! 心から愛してたのは、ずっとずっと景子♥たった一人だけでした♥それだけは、どうなろうと信じてください! 景子♥と、かけがえのない家族との絆(きずな)が、ほかのどんなことよりも大切なものだと死ぬほど悟りました。

いつまでも終わりたくないけど、景子♥いっぱい、いっぱい、本当にいっぱいありがとう。そして、たくさんごめんな。本当にごめんな、許してな! 景子♥を永遠に愛してる♥

大量のハートマークにたじろぎながらも、(ああこれでようやく、旦那のメールから解放される……)と、ほっとしたのも束の間、なんと、それからおよそ二週間後に、また、孝雄からメールが送られてきた。

【続きを読む】「許してください」不倫夫からのメール…女々しい文章に辟易

※本記事は、2021年4月刊行の書籍『夫 失格』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。