持論11

自分は今の仕事を始めて15年が経ち、社会に通用する腕が持て、あることに気付いたので書き記しておこうと思う。

1つのことを極めるには、その1つのことに対しての失敗をすべて経験することが第一条件であることが分かった。そしてそのすべての失敗のいいとこ取りをしていけば、おのずと研ぎ澄まされていくということ。だが、そんなに簡単なことではない。

何が簡単ではないかというと、そのすべての失敗、何回失敗しているかは分からないが、その数あるうちの1つの失敗を挙げると、まず失敗をするまでの行動、経緯があることが分かる。

仕事で例えると、まず「説明を聞く→作業→完成」だとする。この行動、経緯の中で失敗があったとするなら、説明の解釈が違うか作業ミスの場合が考えられる。例えているだけなので予測でしかないが、失敗をした当事者なら容易に分かることだと思う。なのでさっきの例えを改善すると「説明を聞く→説明された事の確認→作業前の段取り→作業→作業ミスの有無の確認→完成」としていくと、おのずと研ぎ澄まされていく。

「説明を聞く→作業→完成」の中で説明を聞くことはよかった、作業することもよかった、完成させることもよかった、なのでこの3つの行動は取っておき、至らなかった行動を加えるということが大切である。もちろんその逆で先に至らぬ行動をしてしまい至らぬ行動を省くという場合もある。

この経験をしていかなければまず研ぎ澄まされていくことは無いだろう。ということは、いかに早く失敗に気付くか、改善するかで自分の腕のよしあしが決まるということだ。だが、そんな単純なことではない。実際に自分は15年の中で半分以上は自分の怠け癖や聞く耳の無さや頭の悪さで無駄にした。

※本記事は、2021年8月刊行の書籍『上にいく為に』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。