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エッセイ
『59才 失くした物と得た物』
【新連載】
有村 月

結婚してから35年、「愛」はなくとも「情」は生まれる

ダンナが死んだ―まさかの現実。自覚はなかったが、この時から私の「おひとりさま」は始まろうとしていたようだ。たしかにダンナは肝臓の数値が悪いと1ヵ月半入院したものの退院、体力も少しずつ戻りはじめ還暦祝の1泊旅行もし、そのたった1週間後にはこの世からいなくなるなんて、頭の中のすみっこにさえなかった事。よくいう野球の九回裏2アウトからの逆転満塁ホームラン的な。その1年半前、最愛の母が「くも膜下出血」で…

人気小説連載記事

小説
『ぼくらの風船』
【第5回】
美山 よしの

僕が何か大きな壁を乗り越えたような達成感を感じていた矢先、あの事件は起こった

おてがみありがとう。お父さんも、毎日大阪で仕事をがんばっています。まことも、アンサンブルのれん習をがんばっているのですね。つづけて三つも合かくをもらえて、えらかったですね。「ウィーンのおどり」がどういう曲かお父さんは知りませんが、タイトルを見ても、なんだかすごくむずかしそうな曲ですね。でも、むずかしいことにちょうせんしてがんばることは、とても大切なことだとお父さんは思います。何回も何回もまちがえ…

ランキング

  1. 小説
    『赤い大河』
    【第4回】
    塚本 正巳
    1位 1

    妊娠を報告した後、逃げるように家を出てしまった彼。意を決して連絡してみると…

    翌日の午後になっても連絡すらなく、時が止まったような室内には寒さも空腹も存在しなかった。意を決して携帯電話を手に取ると、両手が小刻みに震え始めた。祈るような気持ちで発信ボタンを押す。電話はすぐに繋が…
  2. エッセイ
    『わが子を不登校・引きこもりにしないための十ヵ条』
    【第17回】
    村山 和世
    2位 2

    「働く姿を見せれば子は育つ!?」という大いなる勘違い!子供を手荷物のように預ける母親

    「あきらめグセ」→「低学力」→「不登校」という道筋をたどってしまった例について、次に、C子さんの例を記していくことにする。C子さんが、お母さんに連れられて私のところに来たのは、彼女が小学四年生の時だ…
  3. 小説
    『恋愛配達』
    【第14回】
    氷満 圭一郎
    3位 3

    覗き込むような上目遣いでドアから顔を出し、「あら、いらっしゃい」と僕を迎え入れた

    ぼくの年末の仕事のローテーションは、午前中は宅配、午後は酒屋の本業、夕方からまた宅配となっている。昼間不在だった家や夜間指定の荷物を届けて回るために、配達は夜八時過ぎまで及ぶこともある。午前中の配達…
  4. 小説
    『氷上の蠟燭』
    【第8回】
    安達 信
    4位 4

    「イタ、イタタタタ……。先生、痛くて仕方ありません」と激痛をこらえながら…

    瑠璃は二人の話が聞こえない振りをして、「なんか二人で、楽しそうにどうしたの……。晩ご飯の用意できたから、食べましょう」と誘った。食卓には、かき揚げ、天麩羅に加え、かまぼこ、バイ貝の煮つけ、イカの黒作…
  5. 小説
    『不倫された側』
    【第12回】
    及川 夢
    5位 5

    妻に会える、解決に近づくと信じて調停室のドアを開けると…「面会拒否を希望です」

    トシカツの思いは一つ。享子とヨリを戻したい、何もなかったように、またみんなで家族をしたい。しかし運命か? バイオリズムか? 大殺界か? トシカツのやること為すこと、ことごとく裏目に出る。浮気調査とか…

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    【第5回】
    美山 よしの

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    おてがみありがとう。お父さんも、毎日大阪で仕事をがんばっています。まことも、アンサンブルのれん習をがんばっているのですね。つづけて三つも合かくをもらえて、えらかったですね。「ウィーンのおどり」がどう…
  2. 俳句・短歌
    『四季の華』
    【第5回】
    かとう なお

    自分は老い先短く、この子が成人になるのを見届ける将来がないのがとても悲しく…

    2A夕暮れのいたう霞渡るほど、つらつき、いとらうたげなる若草の若紫の髪をかきなでつつ、この尼君、 ◆ねび行(ゆ)かむ 行く末(すゑ)知らぬ 初草を 見送る露ぞ 見つる先無き 【現代語訳】夕暮れのひど…
  3. 小説
    『しまなみ海道に消えたミス』
    【第5回】
    風向 良雄

    恋人はいるのに、突如現われた男性へのときめきが止まらない。何かありそうな予感が…

    テーブルの上には愛媛県の広域観光用のパンフレットがたくさん並んでいる。広域観光企画協議会が結成され観光客誘致のために作成されたもので県内各自治体の自慢を掲載している。その男性は愛媛県の各地のパンフレ…
  4. 小説
    『波』
    【第5回】
    内木 宏延

    竜骨をも削れる切れ味の良い僕のナイフを持ったまま彼は彼女を追いかけた

    「片足をこのレンガにかけて塀の向こうを見てごらん。あれがエルヴドンだ。ご婦人がひとり、長窓と長窓の間に腰掛けて書き物をしているよ。庭師たちが大きな箒(ほうき)で庭を掃いているぞ。ここに来たのは僕たち…
  5. エッセイ
    『腐敗した医療製薬複合体によるワクチン薬害』
    【第13回】
    伊藤 裕幸

    1%の違いが人とチンパンジーを分ける。遺伝子転写エラー率の高いウイルス世界なら…

    生体から切り取った細胞にはDNAの量がわずかしかなく、感染力のある分子的な複製にするためには、充分な量のDNAを確保して合成し、完全な長さにする必要があり、シルバーマンとその共同研究者たちは異なる患…

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